【2023年】Webマーケティングの歴史とは?時代に取り残されないための基礎知識
インターネットが一般家庭にも普及し始めてから、はや30年。
多くの消費者を集め、商品・サービスの購入などのアクションを促す「Webマーケティング」は、めざましい発展を遂げました。
今回はWebマーケティングが辿った歴史と2023年現在のトレンド、Webマーケターとして生きていくためのマインドについて解説します。
これからWebマーケティングを学びたい方や、もう一度学び直しをしたい方は最後までこの記事を読んでみてください。
そもそも「Webマーケティング」とは?
ユーザーをWebサイトに集客し、商品・サービスの購入につなげるマーケティング活動が「Webマーケティング」です。
Webマーケティングはデジタルマーケティングの中でも、特にWebサイトの分野に重点を置いています。
スマホ・SNSが普及した現代において、インターネットと商品・サービスの購入は切っても切り離せません。
ユーザーのニーズに合わせたWebマーケティングは、企業が利益を出すために必須と言えるでしょう。
Web広告 | SEO(検索エンジン最適化) |
ECサイト運営 | SNSマーケティング |
オウンドメディア運営 | メールマーケティング |
Webサイト運営 | 動画マーケティング |
2023年現在では、上記以外にも多種多様なWebマーケティング手法が実践されています。
過去の実例やトレンドの変遷を振り返りながら、Webマーケティングの基礎知識を身に付けていきましょう。
【1994年】世界初のバナー広告
インターネットの普及が始まって間もない1994年、アメリカ最大の電話会社AT&Tが出稿した世界初のバナー広告がオンライン雑誌『Hotwired.com』に掲載されました。
当時のバナー広告は、Webサイトにある「空き枠」に一定期間バナー広告を掲載する「期間保証型」。
新聞広告に近いやり方で、Web担当者がサイトに直接バナー広告を貼り付ける古典的な方法で掲載されていました。
現代では地方自治体のWebサイトに掲載される企業広告などが当てはまります。
- バナー広告
- 指定されたサイズで作成した四角形の画像広告を表示する方式。
- 期間保証型広告
- 月間、年間など期間を区切って広告を掲載する広告形態。長期間契約では広告料が割引される。
利益のためにサービスを増やした時代
新聞・雑誌やテレビなどの広告とは異なり、見られた回数やクリックされた回数を計測することができるバナー広告はマーケターにとって画期的でした。
ユーザーに向けたバナー広告の市場は急激に広がり、インターネットならではの利便性が押し出されていきます。
表示回数やクリック回数の保証、クリックされるまで課金されない広告形式など、競合サイトに勝つための様々な手法が流行しました。
- 表示回数(インプレッション)保証型広告
- 広告の表示回数を契約条件に入れ、表示回数に達するまで広告が表示される。
- クリック保証型広告
- 契約した上限クリック数に達するまで広告が掲載される。
- インプレッション課金型広告
- 広告が表示されるごとに課金される契約形態。予算や表示回数での契約も可能。
- クリック課金型広告
- 広告がクリックされるごとに広告費が課金される。
【1995年】ポータルサイトの増加
インターネットが普及し始めた頃から、Webサイトをまとめる検索エンジン「Archie」「W3Cartalog」「WebCrawler」などが発明されていました。
検索エンジンの中でも、Webマーケティング業界やインターネットユーザーに大きな影響を与えたのは「Yahoo」と「Google」。
当時のユーザーは、Webサイトの増加・普及と共に、世の中のWebサイトをまとめて検索・利用できる仕組み(ポータルサイト)を求めていたのです。
- ポータルサイト
- 大きな建物の門や入口(portal)が由来。様々なコンテンツ(検索エンジン、ニュースサイト、辞書、天気予報、メールサービスなど)を提供する巨大なサイト。
YahooとGoogleの登場
■ Yahoo! Search
1995年、国内初のポータルサイトYahoo! JAPANがサービスを開始しました。
1996年1月にはソフトバンクと共同でヤフー株式会社を設立。ヤフー株式会社が始めたバナー掲載による広告サービスが、国内初のバナー広告と言われています。
当時のYahoo! JAPAN(Yahoo! Search)は審査に通ったサイトを紹介する、ディレクトリ型の検索エンジンでした。
検索結果で表示されるにはホームページを手作業で入力しなければいけませんでした。
ディレクトリ型検索エンジンは、検索対象となるサイト数が多いと対応できないのがデメリットと言えます。
- ディレクトリ型検索エンジン
- Webサイトをテーマ・トピックごとに分類して掲載する検索エンジン。 掲載サイトは人間の目で審査される。
■ Google
Yahoo! Searchの登場から3年後、先進的なロボット型検索エンジン「Google」が誕生。
Googleのクローラーは自動的にWeb上の情報を効率よく収集できたので、人力でWebサイトを登録する作業は必要ありませんでした。
- ロボット型検索エンジン
- 情報収集プログラムがキーワードごとにデータベースを作成する検索エンジン。プログラムが世界中のWebサーバーを巡回して、Webページに関する情報を取得する。
広告主のリスク回避が優先され始める
インターネット黎明期ではクリックごとに広告費が発生する「クリック課金型」が主流でしたが、クリック詐欺が横行したため成果報酬型のアフィリエイト広告が人気になりました。
先駆けになったのは1996年に開始された「Amazonアソシエイト」。
ユーザーが自分のWebサイトにAmazonの商品を掲載し、売上の一部が報酬としてユーザーに支払われるアフィリエイト広告はWeb広告業界に普及しました。
商品・サービスの向き不向きはありますが、アフィリエイト広告は広告主側にとってリスクを回避できる、費用対効果の良い手法でした。
- アフィリエイト広告
- 表示・クリックでは広告費が発生せず、購入や会員登録などのアクションをすると指定された広告費が発生する形式。
■ 携帯の普及/ネットショッピング市場の拡大
2000年までの日本では、楽天市場(1997年)の参入やNTTドコモの「iモードサービス」開始(1999年)も重要なトピック。
ネットショッピング市場や携帯端末からのインターネット通信の拡大も、アフィリエイト広告の発達に大きく関わっています。
現在のアフィリエイト広告を語るのに欠かせない「ASP」が出てきたのもこの頃です。
- ASP
- 広告主がASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)へ広告出稿→媒体側が広告を選び、提携申請&掲載する仕組み。
【2002年】リスティング広告誕生
インターネットユーザーにとって非常に便利で知名度の高い検索エンジンとなったGoogle。
リリース当初のGoogleは、ユーザーがどんなに検索をしても直接の収益につながっていませんでした。
Googleの登場から4年後の2002年、ユーザーの母数を活用したリスティング広告(検索連動型広告)「Google Adwords」「Overture(現:Yahoo!リスティング)」が誕生します。
検索エンジンの普及やWebサイトの増加に伴い、「SEO(検索エンジン最適化)」が重要視され始めたのもこの頃です。
- リスティング広告
- ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードに関する広告を検索結果の上部、または下部に掲載する手法。
- SEO (Search Engine Optimization)
- 検索エンジンを通してユーザーのWebサイト流入を促す施策。ユーザーのニーズ・欲求を満たすページを作成して検索結果での上位表示を目指す。
リスティング広告によって、Webサイトだけでなく検索画面からも収益が発生するようになりました。
従来の広告サービスより少ない予算で始められるリスティング広告は、今もなおインターネット広告の主流です。
個人サイト・ブログの流行
時代が進み、個人でもサイト・ブログを作って簡単に情報発信ができるようになります。
Internet live statsのデータによると、1993年時点でインターネット上のWebサイトは130サイトだけでした。
ブログ作成サービスが広く普及してしばらく経った2006年で8550万7314サイト、2018年には16憶3032万2579万サイトと、Webサイトの数は爆発的な増加を見せています。
(参考:Internet live stats)
おもなサービスのリリース年 |
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■ 1998年/PHPNUKE |
■ 1999年/Blogger |
■ 2001年/Drupal |
■ 2003年/WordPress、はてなダイアリー、livedoor Blog |
■ 2004年/mixi、gree、Facebook、FC2、アメーバブログ |
■ 2005年/Joomla! |
検索エンジン一強の時代
2002~2009年頃には、検索エンジン(Google、Yahoo!)が一大勢力となっていました。
ユーザーにマッチしたコンテンツを出そうとする「ターゲティング広告」「コンテンツ連動型広告」が登場しましたが、まだ精度が悪く効果が出にくい状況。
従来の空き枠に出すバナー広告も効果が弱く、Webマーケターの業務はリスティング広告に集中していました。
- ターゲティング広告
- ユーザー属性、配信媒体、掲載サイトなどの条件を選択して、ユーザーにとって適切と思われる内容を表示する広告。
- コンテンツ連動型広告
- サイトの内容やユーザーの興味と連動して画像/テキストで広告を掲載し、クリックされると費用が発生する広告。
【2008年】スマートフォンの登場
日本で普及していた「ガラケー」は海外にない独自の進化を遂げた通信端末でした。
電子決済だけでなく定期券や航空券、会員証やポイントカードなど、財布に入るもの全てを一台の携帯電話端末で済ませる「おサイフケータイ」は特筆すべきポイントです。
2008~2009年頃に登場したスマートフォンは、以前のガラケーやPCが持っていた機能を一層便利に、使いやすく進化させました。
スマートフォンの登場は、Web広告業界にとって大きな転機でした。
元々ガラケーを使っていた層の多くが、インターネットを見るようになったのです。
スマートフォンの普及とともに検索市場は拡大し、ユーザーにサイトを見せようと、企業側が作るコンテンツも充実していきました。
GoogleがAndroidを作った理由
スマートフォンのOSと言えば、Appleの「iPhone」とGoogleの「Android」を思い浮かべるはずです。
AndroidのOSはオープンソースとして無料公開されていますが、「なぜAndroidが無料なのか」考えた経験はあるでしょうか?
Androidを開発し、全世界に配布する明確なメリットがGoogleにはありました。
AndroidのスマートフォンにはGmailやGoogle Map、Google Chromeが標準アプリとしてインストールされ、AndroidユーザーはGoogle系アプリを利用し、Googleで検索をします。
こうして無料でソースコードを公開する代わりに、Googleのシェア・売り上げは格段に伸びたのです。
SNSコンテンツの流行
2008年4月、TwitterとFacebookが日本語版サイトの提供を開始。この頃、国内発のSNSでは、mixiやGREEなどが主流でした。
世界規模のソーシャルネットワーク(SNS)が登場し、バイラルマーケティングとSNSマーケティングの土台が築かれます。
「面白い」「衝撃的」「話題性がある」コンテンツを作成・配信し、人気ブロガーや芸能人にお金を払ってSNSでシェアしてもらう手法が流行したのもこの頃です。
- バイラルマーケティング
- 魅力的な商品・情報を提供し、インターネット・メールなどのクチコミで不特定多数の人から人へ広めさせるWebマーケティングの手法。
- SNSマーケティング
- SNS投稿で顧客と接触し、コミュニケーションや商品・サービスの広報、ブランド構築につなげるWebマーケティング手法。
「アドネットワーク広告」で工数削減
インターネット黎明期のバナー広告では、広告主が直接媒体に広告掲載を依頼し、担当者がWebサイトの記事に手動でバナーを張り付けていました。
当初は人力だったバナーを貼る動作を自動化する「アドネットワーク広告」が登場したのが、2008年頃です。
複数のWebサイト上で広告を一括配信できるようになり、工数の削減と広告パフォーマンスの向上が進みました。
- アドネットワーク広告
- 広告媒体となるWebサイト・SNSを集めた広告配信ネットワークを用いる広告手法。
広告をだれに、どこに出すのか?
リーマンショックは革命だった
2008年に起こったリーマンショックにより、金融業界のプログラマがインターネット広告業界に流れ、金融の買い付けプログラムを使った広告出稿プログラムの基盤を作り上げました。
ユーザー属性や出稿に必要な単価を確認しながらリアルタイムで広告枠の取引(RTB)ができるようになったのがこの頃。
リーマンショックは世界経済に大きな打撃をもたらすと同時に、Web広告業界に革命をもたらしたのです。
広告枠の取引市場化が進み、Web広告では費用対効果を上げるために「どこで見せるか」だけではなく「誰に見せるか」を考えるようになりました。
多種多様な広告手法や分析方法が登場し、コンバージョンに至った行動の貢献度を評価する「アトリビューション分析」の考え方も徐々に広まっていきます。
- リアルタイム入札(RTB)
- 関連性の高いユーザーへの広告枠へ1インプレッション(広告表示)ごとにオークション形式で入札がされる仕組み。ターゲットの絞り込みによって広告出稿の合理化・効率化が進んだ。
- DSP広告
- 広告配信プラットフォーム「DSP(Demand-Side Platform)」を使用する広告手法。表示1000回に対する単価で課金する方式が主流。
- インタラクティブ(体験型)広告
- 動画や音声、体験型ゲームなどのコンテンツで印象的な訴求ができる。静止画だけでは価値が伝わりにくい商材に有効。
オウンドメディアで利益拡大
企業が自社で所有するWebサイトをひとつのメディアとして活用するオウンドメディア(自社広告)が活発化し始めます。
Webマーケティングで重要な3種のメディアを指して「トリプルメディア」と称されました。
- ■ オウンドメディア
- 企業やサービスなどの独自情報を発信し、ユーザーとの関係構築、顧客育成の役割を果たす。
- ■ ペイドメディア
- 広告費を払って掲載する従来のメディア。オウンドメディア/アーンドメディアに送客し認知をうながす。
- ■ アーンドメディア
- SNS(FacebookやTwitterなど)を活用し、オウンドメディアのオリジナル情報を拡散して媒体の認知度を向上させる。
トリプルメディア(オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア)には相乗効果があり、すべてを活用すればより高い収益を見込めるようになります。
データを一元管理する「DMP」
インターネット上のサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータを一元管理・分析し、広告配信などのアクションを最適化できるプラットフォーム「DMP(Data Management Platform)」。
ユーザーの状態に合わせて広告を配信したり、メッセージを送信したりするのが、従来よりも簡単になりました。
- オープンDMP
- 様々なWebサイトでの行動履歴やデモグラフィック情報などが蓄積されたデータ。
- プライベートDMP
- 自社との取引や会員登録、サイト内での行動履歴など広告主が保有するデータ基盤。
【2010年】見せる広告「ネイティブアド」
2010~2011年頃から、インターネットの情報を収集・選別した「キュレーションサイト」(いわゆる「まとめサイト」)が急増。
広告の出稿先が増えた一方、インターネットに慣れたユーザー達が広告を見分けて無視するようになり、従来のバナー広告は効果が下がってしまいました。
ユーザーに広告を無視させない手法として、広告をコンテンツのように見せかけて視認させる「ネイティブアド」が広まります。
- ネイティブ広告(ネイティブアド)
- 広告掲載面を自然に溶け込ませ、ユーザーにコンテンツの一部として見せる広告。
あれもこれもネイティブアド
ネイティブアドは現代のWeb広告でもよく見られる手法です。
意識しながら見てみれば、私たちが普段使うコンテンツにどれだけネイティブアドがあるのか気づくのではないでしょうか。
ネイティブアドの実例
- インフルエンサーへのギフティング
- SNSでのステルスマーケティング
- Youtubeの動画広告
- ショッピングサイトのPR・スポンサー商品
- SNSの投稿間に入る広告(インフィード広告)
- LINEの企業スタンプ
ただユーザーに誤認させるだけでは広告としての効果や精度が悪いため、ネイティブアドを誰に向けて、どこに出すのかが重要です。
【2014年】広告は面から人へ
検索ユーザーに対し、広告出稿側が見せたいタイミングで見せるのが、今までの広告形態でした。
2011年頃から、ユーザー層に合った広告を分析して表示する方法が模索され始めます。
2014年にはWebマーケティング業界全体が「面から人へ」を意識していました。
どのページ(面)に広告を出すか?ではなく、どんなユーザー(人)に広告を出すか?が重視されるようになったのです。
時を同じくして、Googleの検索アルゴリズムの改革をきっかけに、「コンテンツマーケティング」の考え方も流行し始めます。
- コンテンツマーケティング
- 顧客が必要とする情報を理解し、適切にコンテンツ(情報)として提供し、購買行動を促進するのを目的にしたWebマーケティング手法。
- リターゲティング広告
- 過去に特定のWebサイトを訪問した履歴のあるユーザーに配信される広告。
望まれない広告はクリックされない
パソコン・スマートフォンが多くの人に普及した現代において、インターネットを利用するユーザーの総数が爆発的に増える見込みはもはやないと言えるでしょう。
広告の費用対効果を最大化するには「多くのユーザーに見られる」だけでは不十分です。
「ユーザーにクリックされる広告」、正確に言えば「購買意欲のあるユーザーにクリックされる広告」が求められました。
嗜好・欲求に合った広告やコンテンツへのインプレッション(接触回数)を増やし、広告に注目してもらうのが、ユーザーからクリックされる価値の高い広告を運用する方法です。
Web検索・広告の変遷
- 新聞広告に近い形式でバナー広告が広まる
- パソコンを触る人が増え、検索市場が伸びる
- 検索画面を使用したリスティング広告の流行
- パソコン利用者が飽和して伸びなくなる
- スマートフォンの出現
- スマートフォンユーザーの数も頭打ちになる
- 面白いコンテンツを増やし、閲覧時間を増やす手法に移行
顧客との関係構築で購買促進
2016年頃から、AIやツールを利用し、顧客の興味関心に応じたコミュニケーションを取り、長期的な関係を構築する「マーケティングオートメーション(MA)」が活用されるようになりました。
収集したユーザー情報をデータベースで管理し、ユーザーの行動履歴から最適な営業手法を自動選択・実行するシステムはマーケティングオートメーションツール(MAツール)とも呼ばれています。
- マーケティングオートメーション
- ツールを使ってマーケティング活動を自動化・効率化する手法。労力をかけずに特定属性のユーザーを選んでメールを送るなどの施策を実行できる。
- Web接客
- Webサイトを訪れたユーザーに対して、人力またはAIがサイト上で接客するサービス。見込み顧客の購買意欲やコンバージョン率が高まる。
【2018年】アトリビューション分析の発展/AIによる自動最適化
2018年頃から注目され始めた「アトリビューション分析」。
アトリビューション分析は広告予算を配分する指標として予算・リソースの配分を最適化しやすくなるので、現在でも重要視されています。
- アトリビューション
- Webマーケティング業界では、広告ごとに達成したい目的(コンバージョン)への貢献度を意味する。広告がコンバージョンに至った要因を数値化し、分析するのが「アトリビューション分析」。
PDCAサイクルを回し、数字に変化を見て仮説を立て、検証を繰り返すのがアトリビューション分析を有効活用するコツですが、検証を細かく突き詰めていくとキリがありません。
大まかな傾向をつかみ、サイクルを改良する手助けになるのが近年実用化が進んでいる「AI(人工知能)技術」や「予測分析ツール」です。
- AI(人工知能)
- Artificial Intelligence(人工知能)。 コンピュータがデータを分析し、推論や判断、最適化、問題解決など、人間の知的能力の模倣を目指す技術。
- 予測分析
- データを使用して結果を予測するプロセス。データ分析、機械学習、人工知能、統計モデルを使い、将来の行動パターン(トレンドやユーザーの動き)を予測する。
AI技術で広告効果を最大化
スマホ市場が飽和し、ネイティブアドによってあらゆるコンテンツで広告が隅々まで行き届いた状態が日常となった2023年。
ユーザーの趣味嗜好を読み取った同音異義語の区別や、商品が売れたターゲットについて分析&広告を見せる層を広告自身が判断し、自動で広告効果を上げる仕組みも実用化されました。
Googleが提供する検索・広告・解析などのWebサービスをはじめ、AIを搭載したWebマーケティングツールは今後増えていくでしょう。
【2023年】進化と変化を続けるWeb広告
テクノロジーの進化によって、Webマーケティングにおける広告手法や収益を上げるための考え方は30年間で大きく変化しています。
当初のWeb広告は新聞広告の焼き直しでしかなく、情報の押し売りとしてユーザーから敬遠されていました。
現在は「面から人へ」の考え方が広告出稿側に浸透し、ユーザーに求められる広告が最適解と考えられています。
ユーザーの便利さを第一に使いやすい形を目指して進化したのが、2023年現在で最良とされる広告のスタイルです。
「欲しい情報の最適化」がトレンド
マーケットの規模感が限界まで大きくなった今、利益を得るチャンスを拡大するにはユーザーのニーズを満たせるコンテンツで閲覧時間を限界まで伸ばすしかありません。
どんなに面白いコンテンツを多く作っても、ユーザーが使える一日の時間(可処分時間)や使えるお金(可処分時間)には上限があるのが現実。
広告の見せ方を極限まで効率化し、ユーザーの可処分時間・可処分所得を限界まで使い切るために「欲しい情報の最適化」が進んでいます。
■ 欲しい情報の最適化とは?
情報の最適化が顕著なのは、TikTokやYoutubeなどのSNSに見られるショート動画です。
多くのユーザーに注目される刺激的な部分の切り抜きやユーザーの好みの動画だけを出し続け、他のコンテンツはそのユーザーに届かなくなります。
Instagram/Twitter/Youtubeなど、多くのSNSは閲覧履歴やフォロワーの傾向から該当ユーザーが長く留まる情報を抽出・提供し続けるインターフェイスです。
情報の最適化が進んだ現状は、目立つコンテンツ人は何度も多くのユーザーに見られ、弱いコンテンツは日の目を浴びない構造の完成とも言い換えられるでしょう。
必要なのは「不易流行」の姿勢
トレンドに乗って最適な広告手法を選ぶ能力がWebマーケターには求められます。
しかし、今の瞬間に使える知識だけを持っていても、最短で利益を出すのは難しいでしょう。
良いクリエイティブがなぜ良いのか、良質なコンテンツの作り方、ユーザーに何をどう見せるか? 効果の高い広告を作る大まかな筋道には、昔から変わっていない部分もあります。
Webマーケターに必要なのは、普遍的で変わらない本質を抑え、変わり続ける現状を絶え間なく追う「不易流行」の心構え。
Webマーケターの心構え「不易流行」
- 時代の移り変わりと普遍的な「良い広告」を知る
- トレンドには敏感で居続ける
- 常に新しいことを試し、学ぶ
- 今持っている常識を過信しない
3年あればWeb広告の常識は変わる
Webマーケティングの歴史を見ていると、「3年あればトレンドや常識は大きく変わる」のが分かります。
2023年時点での常識も、3年後には時代遅れになっているかもしれません。
過去にあった事例と最新情報を照らし合わせながら「現状で最も効果のある方法」を選ぶのが、Webマーケターとして時代に取り残されないコツです。
常に情報へのアンテナを立てる意識を持ち続け、利益を上げられるWebマーケターを目指しましょう!