ランディングページ成功のカギは徹底したターゲティング設定!
ランディングページを設計する際は、「誰に」「何を」「どう伝えるか」ということが重要になってきます。
そのうち一番最初にやるのが、誰に伝えるかというターゲティング設定。
コンテンツ制作の土台のような役割になるので、非常に重要な作業です。
ターゲティング設定の具体的な手法を、事例を交えて分かりやすく解説していきます。
ランディングページにおけるターゲティングの重要性
ターゲティングとは「標的を決める」という意味で、市場を分類してその中から「勝てる市場を設定する」ということです。
ランディングページにおいて、ターゲティング設計をする意味は主に以下のような理由があります。
- 差別化するため
- 昔と違って今は商品があふれており、品質も各社で平均化されているという分野も少なくありません。
ユーザーの商品購入に対するリサーチも厳しくなり、どこにでもあるような普通の訴求をしていては差別化は難しいです。
不特定多数の人に売ろうとはせず、ターゲティング設定で勝てる市場を設定することで、他社との差別化訴求ができるようになります。 - コンバージョン率を上げるため
- ターゲットを絞れば絞るほど、よりその人に合った訴求ができるので、コンバージョン率を上げることができます。
ただし、絞るほどターゲットの母数が減るということは覚えておいてください。 - この後に続くランディングページのコンテンツ設計やデザインの土台になるため
- 誰に対して訴求をするのか決めないと、コンテンツは一貫性のないものになってしまいます。
また、ターゲティング設定の良し悪しはざっくり分けると以下のようになります。
- ■良いターゲティング設定
- ・ターゲットの情報が細かく具体的
・広告の集客施策と合っている
・設定したターゲット層の母数が多い(狙える市場規模がある) - ■悪いターゲティング設定
- ・ターゲットの情報はザツ(男か女かだけしか設定してない等)
・広告の集客施策と合っていない
・幅広い条件の人をターゲティングしている
ターゲティング設計の方法と事例
ターゲティング設計の方法は、統計データを参考にしたり、実際にユーザーアンケートを実施したりと生のデータを参考にするのが効果的です。
実際に私が行った「育毛剤」に対してのターゲティング設定の事例をご紹介します。
まず、育毛剤は問題解決の手段の1つのため、根本的な解決したい問題「薄毛」について、調べ上げます。
※この根本的な問題から入るのは非常に大事で、手段から入ると商品の紹介訴求が強く、根本的な訴求がしにくくなります。薄毛の対策方法は生活習慣の見直しや発毛剤など育毛剤以外にもあるため、色々な方法から育毛剤を選ぶメリットを訴求するためには、まず薄毛に対してのニーズの把握が必須です。
①統計データをもとに、薄毛で悩むユーザーの属性を調べる
紹介したい案件が成熟した業界だと、統計データがネットで公開されていることが多く、ターゲティング設定に非常に役立ちます。
まず、リクルート実施の「薄毛に関する意識調査2017」を参考にして、薄毛で悩んでいる人はどんな人が多いのか、どんな悩みがあるのか調べました。
統計を見てみると、以下のようなことが分かります。
・自身が「薄毛である」と答えた人のボリュームは男性約28%、女性約8%と男性が高め
・薄毛対策にかけてもよいと思う金額は、男性は全体的に高め。年代別では20代がトップ(6528円)、続いて30代(6371円)。女性は全年代で3,000円代と、年代差がない結果に
・薄毛に対する将来への不安は、女性は、20~50代まで6割の人が「とても不安」と感じているのに対し、男性は20代が「とても不安」が最も高く63.4%、年齢と共に徐々に低下
・薄毛について気になる目線は、女性は「同性」、男性は「異性」をより重視する結果に
②統計データをもとに、ターゲットを設定する
統計データをもとに、仮説を立ててターゲットを設定します。
男性
未婚
世帯年収:400万円
悩み:
最近薄毛が目立ち始めて、ひどくならないうちになんとかしたい。将来もっとひどくならないか不安。
薄毛を直したい理由は、職場や友人の異性の目が気になるから。
薄毛対策にかけれる金額は、毎月7,000円までならかけてもいいかな。
薄毛で悩んでいる代表的なターゲティングが完成しました。
③関連キーワードを洗い出して、検索クエリのニーズを把握する
薄毛のターゲティングが決まりましたので、次に薄毛で悩んでいる人が育毛剤に対してどういう意識をもっているのか、検索クエリの関連キーワードを使って洗い出します。
※関連キーワードとは・・・YahooやGoogleの検索欄に任意のキーワードを入力すると、候補としていくつか表示されるワード(サジェストワードとも言います)。入力したキーワードに対して検索回数も多く関連性の高いワードが表示されます。
まず、以下のサイトで「育毛剤」に対して関連キーワードを洗い出します。
洗い出した関連キーワードを、Googleのキーワードアドバイスツールにかけて、月間検索件数を紐づけます。
そして、月間検索件数付きの関連キーワードを分類して、どの分類の検索キーワードが検索件数が多いか計算します。
※分類分けは傾向をつかむ事が目的のため、あまり細かく分けずざっくりで大丈夫です。
まとめたExcelファイルも参考のため、乗せておきますね。
育毛剤の関連キーワードリストExcelファイル
↓こちらが検索件数の多かった分類の一部です。(値は月間検索件数)
女性 7250
商品名 7210
ランキング 6550
おすすめ 3980
男性 2640
市販 2380
口コミ 2370
副作用 920
比較 900
年代 830
傾向としては、「育毛剤は本当に薄毛に効くのか」という効果に対してのニーズが多く、ランキングやおすすめなど購買意欲の高い層も多い傾向でした。
また、副作用も育毛剤を始めるにあたって懸念点として多く、デメリットの問題も解決する必要もありそうです。
まとめ
ターゲティング設定と検索クエリのニーズをもとに、次に続くランディングページのコンテンツ設計やストーリーを決めていきます。
今回ご紹介しましたターゲティング設定の手法はあくまで一例で、その他にも数多くの手法があります。
統計データなどの事前情報がない状況のときは、参考書籍を読んだり、ネット情報で調査したり(信憑性に関しては要注意)することでも、ターゲティング設定は可能です。
扱う商材に合わせて、どういうターゲット設定が効果的なのか、是非色々試してみてください。